私も思わず、嵩広の方を見た。


真っ赤な顔……

今にも泣き出してしまいそうな悲しい顔……



本物の【好き】がある目は全然違うんだ……


心がザラザラする………

揺さぶられる………


目を見た瞬間分かった。



「行くなっ……衣乃っ………!」


嵩広は私に恋をしているんだって………



そして気付いた。


「俺はお前の事を………」



偽物の恋にすがりついているのは


「好きだから…………」


私なのかもしれないって………