私は嵩広に背を向けて上を向いた。 すると、嵩広は私の左肩をグイッと 自分の方に引き寄せて 「違うってんだろ!バカ衣乃っ!」 と必死な顔をして私の目を見ていた。 思わず堪えていた涙が溢れ出してしまった。 「でも……嵩広には…楓ちゃんがいるでしょ………」 私なんかよりもヒロインって感じの 地味で抑え目でも真っ直ぐ嵩広に気持ちを 伝える私の何倍も可愛い女の子。 私なんかが勝てる相手じゃない………