「…………ん。」


眠い…ヤバい…

目がいつの間にか閉じていく。


意識がなくなっていく。



私はそのまま木にもたれかかって、

眠りについてしまった。



その時、誰かの

『衣乃っ!』って呼ぶ声と


からだ全身に伝わる温もりを感じた。


あぁ…私、ついに幻聴まで聞こえてきたか…。

やだな…人を好きになるって…


こんなにワガママになっちゃうなんて…



さよならは悲しい言葉じゃないよね?


新しい明日のための言葉だよね?

意味のない恋の感情なんてないよね?


それならさよならは言わないでね。


「………たか…ひろ…」