もう何も残らないほど

何もかもを壊して生きてきた。


お父さんお母さん…

和馬くんの気持ちを無視して…


家を失って嵩広という唯一の幼なじみまで……

私が自ら壊して何もかも失った。


『私ね…幸せだよ。』



どこかで感じたことのある香水の匂い。

優しくて暖かくて…私の全てを包む香り。


町の中でこの香りを見つけたら、

ついていきたくなってしまう……。


だから全て忘れて嘘にしちゃうんだ。