…………あれ?

そういえばここのお屋敷って

誰から借りたんだっけ……?


私はダイニングルームの机に並ぶ

料理を見つめて足を止めた。


ここって……私の家じゃないよね…

じゃあ一体誰のお家なの…?


私は少しも動かず突っ立っていた。



すると、来夢ちゃんがそんな私の方を向いて、

私のスカートの隅の方を引っ張った。


「衣乃ちゃん…?」


来夢ちゃんの心配そうな顔を見ることもなく、

私は小さく声を漏らした。


「ここ……誰が私に………」


私が渚くんの方を向くと

渚くんは不思議そうに私の方を見ていた。


ねぇ……教えてよ……


「誰が来夢ちゃんと私を住ませてくれたの?」