私をぎゅっと抱きしめたあの腕は
もうここにはない。
『……ごめん』
あの一言が私の心を壊した。
そして又自分自身に絶望した。
渚くん…私、もう貴方を愛することにする。
貴方以外の誰も見ない。
長い長い届かない夢は終わりにするよ。
いつだって偽りだらけの恋愛。
こんな私をどうか…許し、愛してください。
私は家の中へ戻った。
すると、そこにはもう……
「お帰り、衣乃ちゃんっ。」
「衣乃ちゃぁーんっ。寒かったでしょっ?」
優しく笑う貴方と私の可愛い妹がいる。
「ただいま。渚くん、来夢ちゃんっ!」
私は決めたんだ。
ここで幸せになるって……
高校を卒業したら働いてちゃんと自分達の家を
建てて、そこで暮らすんだって……