「ねぇ……渚くん。私達…ひょっとしたら
一部の記憶が消されたのかもしれない…」


だって……私はヨルさん、渚くんはルルさん。

特定の人の記憶がないなんておかしいよね?


「衣乃ちゃん……」


ねぇ、渚くん。

あの日幸せだったよ。


私、あの日幸せで泣いたのも……

雪の降りやまないクリスマスツリーの下で

キスをしたことも忘れたことないよ……


でもね…


「このポッカリ空いた穴を
埋められるのはアイツだけなんだ。」


結局嫌いになれなかったのは私。

嵩広が好きで好きで……だから逆に嵩広に

嫌われようとしたけどそれも失敗して……


最低なことしてるって分かってる。

それでも………


「きっと私は渚くんをもう好きにはなれない。」