「衣乃ちゃんっ……?」


渚くんは頭の上に【?】マークを沢山作って

ポカンとして、私の方を向いた。


ふざけてるの?ほんとに……


「渚くん、前までルルさんと付き合ってたのに
別れたら顔の似てる私に乗り換えるって訳?」


私は渚くんをぐっと睨み付けた。

でも渚くんは訳がわからないという顔をして、


「そもそも【ルル】って誰?」


と逆に私に聞き返してきた。


なにいってるの…?

だって渚くん…今まで私の事を忘れて……

ルルさんだけを愛してたじゃない。


「僕はそれよりもヨルがロシアに帰って
しまったっていうことが残念だったよ。」


渚くんは少し顔を下げてため息をついた。