俺は思わず斜め前に
座っている衣乃の背中を見た。
衣乃、悲しんでるだろーな。
ヨルと仲良かったのに…突然帰っちまうなんて。
俺が少しだけ下を向くと、衣乃は突然俺の方を
振り返って小さな紙をこちらに飛ばしてきた。
俺はポカンとしたものの、すぐに中身を見た。
『ねぇ…ルルさんは知ってるんだけど
ヨルさんって誰なの?そんな人いた?』
俺は思わず衣乃の方を向いた。
嘘だろ……何でヨルの事、忘れてるんだよ……
お前の事を一番に分かってくれた理解者だろ?
ふざけてんのか?
俺は思わずその小さな紙切れに返事を返した。
『お前の大切な友達だろ?』
たった一言だけ書いた紙。
あの言葉、冗談だよな?衣乃…
【ヨルさんって誰なの?】
じゃねーよ。頼むから嘘だって言ってくれ…


