いつもの教室。いつもの景色。

いつもの風。いつもの雰囲気。


いつもと違うのは………


「嵩広くんっ!」


俺はそう呼ばれて振り返る。


「こないだは送ってくれてありがとっ!」


キャハキャハと俺に近づいては

下から覗き込んでくる田中。


あのロシアから来た……

なんだった?(ルルだったけか?)


アイツと絡むようになってからすっかり

今までの田中とは変わってしまった。


「田中、なんかあった?」


いつもそう聞くと田中はヘラっと笑って


「そんなことないよ?」


って俺に引っ付いて離れない。


絶対におかしい……

何をたくらんでるんだ?田中…


俺が思わず斜め前に座る衣乃の後ろ姿に

目を向けると衣乃がこちらを振り返って

バッチリ目と目があった…。


「衣乃…//」


この間のキスを思い出して

思わず顔が熱くなる。