ルル様は渚さんに眠り薬の入った紅茶を出して

それを飲ませた。


すると、渚さんは少しして眠りについた。


僕はそれと共に渚さんの頭に左手を乗せた。

さようなら……渚さん。



僕達の事は忘れて幸せになってください。


僕はフッと左手を渚さんから離して、

渚さんを車にのせて、渚さんのお家まで運び、

渚さんのお姉さんに渚さんをお返しした。


ルル様は渚さんのお姉さんに頭を下げて


「ごめんなさい…私は衣乃さんではなかったの。」


と謝っていた。

……そうだった。


ルル様は渚さんのお姉さんには

自分は「衣乃だ」と言い張ってたからな…


渚さんのお姉さんは少し驚いた顔をしたと

思えば優しく微笑んで何故か僕達に


「渚と仲良くしてくれてありがとう。」


と言ったんだ。