寂しそうに涙を流していたあの日……
『お母様…お父様っ…!』
よく笑って僕に笑顔をくれたルル様は
幼くして両親を失い、笑わなくなり、
人柄さえも変わってしまわれた。
そんな貴方に合わせて、無感情な僕を
作り上げたのは貴方の他にはいない。
「寂しかったんですよね…ルル様…
だから貴方は渚さんの愛に浸っていた…」
その愛が偽物だと分かっていても
父上様母上様を失われた傷を塞ぐために
ルル様は自分の笑顔と代償に愛を求めた。
僕は誰より近くでルル様を見てきたんだ。
誰よりもルル様を知っている…
だから……
「ルル様…もう終わりにしましょう。ロシアに
帰ってちゃんと現実と向き合いましょう。」
…そして僕と…新しい明日を見直しましょう。


