「………ごめんね、衣乃さん。
本当にあなたが好きでした…。」


僕は涙を流して左手でそっと意識を失った

衣乃さんの頭に触れた。


その時、衣乃さんは意識を失ったはずなのに

ふと、目を閉じたまま笑みをこぼし、


「ヨルくんの事を信じてるよ…」


と小さな声で囁いたんだ。


僕は涙が止まらなかった……。

そして、左手をそっと衣乃さんの頭から離した。


「衣乃さん……もう、苦しまないでくださいね。」


僕は止まらない涙を必死に拭って、

気を失った衣乃さんを抱き抱えた。