そう思ったのは私だけ…?


「衣乃さん…怖がらないで。
君を守るために僕はいるから。」


ヨルくんは優しく笑うと

少しだけうつむいた。


そして私を車に乗せた。


このいかにもお金持ちって言ってるような

車も見慣れてしまった。


ヨルくんと向き合ってしばらくの沈黙が続く。


車から見える景色は少しずつ色を変えていく。

道路にべしゃべしゃの溶けた雪。


空に消えてったのは優しい太陽。