「おはようっ!衣乃ちゃんっ!」 元気な来夢ちゃんはランドセルを 背負ってくるくるっと一回りした。 きっと来夢ちゃんが見ている世界は 私とは違う世界が待っているんだ…。 それなら私はその背中を 押してあげなくちゃいけない。 「来夢ちゃんっ!行ってらっしゃい。」 私は玄関で来夢ちゃんに手を振った。 来夢ちゃんはニッコリ笑って 「行ってきますっ!衣乃ちゃんっ!」 と玄関からかけていった。 私はそれから少しして、携帯に目を向けた。 ヨルくんから着信がはいっていた。 気づかなかった……。