私はダイニングへ行って、
1人でそこで座る来夢ちゃんを抱き締めた。
「わっ……衣乃ちゃんっ!帰ってたの?」
来夢ちゃんはゆっくり私を抱き締めて、
優しく笑った。
「体冷たい…寒いの?衣乃ちゃん。」
私は思わずハッとして、来夢ちゃんから
離れて、首を横に振った。
「大丈夫だよ。来夢ちゃん。」
来夢ちゃんの優しさがそこにある限り、
寒くなんてないよ。
私は来夢ちゃんに笑いかけた。
すると、来夢ちゃんは
少し安心したような顔をして、
「衣乃ちゃん…見ててっ!」
と、テーブルクロスをバアッとめくりあげた。
サァーッと引かれていくテーブルクロス
から姿を表したのは美味しそうな料理達。


