変わらないな。

困ったときに頭をかく癖。

必ず持ってる青いハンカチ…


「ねぇ…っ…楓ちゃんは…っ?」


私はハンカチに顔を埋めて

近くのベンチに腰かけた。


「ちょっと前に家に送った。」


嵩広は明かりのつき始めた街頭に

もたれ掛かって私に缶のミルクティーを

投げつけてきた。


私は顔をあげて思わず嵩広の方を向いた。


「飲め。時間たってるから暖かくはないけど…」


嵩広は決して私の方を向く事はなく、

ただ街頭で、携帯を触っていた。


私は缶のミルクティーを開けて、

少しだけ口に含んだ。