「良かった…元気そーじゃん。」
嵩広はいつものようにイタズラっぽい笑顔を
私に見せた。
夕日が眩しくて目を少し閉じた。
ムカつく…何でなのよ……
「何できたのよっ……」
心臓の音がやけに煩くて…
何故か涙が止まらなかった…。
そーゆーの、やめてほしいって言ってるのに…
だってこれじゃ私っ……
嵩広の事忘れられなくなるじゃない…
私は止まらない涙を必死にぬぐっていた。
すると、嵩広はそんな私に容赦なく、
「あーっ…たく。助けてやったんだから泣くな。
バカ衣乃!お前が泣いてたら胃が痛いんだよ。」
といつもみたいに青いハンカチを私の頭に
ポスッと乗っける。


