私が後ろを振り返るとすぐそこに、
殴りかかろうとしている手が見えた。
ヤバイっ………
私は思わず目を閉じた。
……その時だった!!
ーーーガッ……
すごい音がして、私は思わず目を開いた。
するとそこにはなぜか嵩広が倒れていて…
左の口元から血を垂らして頬を赤くしていた。
「ちょっ……嵩広っ!」
私は思わず嵩広に駆けつけて、
嵩広に手を差し出した。
コイツ…もしかして私をかばったの……?
「あ…わり。大丈夫だから。」
嵩広は私の手を取ることなく立ち上がった。
そして、私の耳元でそっと言った。
「俺の側から離れんなよ!」
私は何でか泣きそうになった。


