「ねぇ…ヨルくんっ!あれ乗ろっ!」
私は目の前に姿を表した空を走る
ジェットコースターに指をさした。
何だか、ジェットコースターに乗ったら
私の憧れてる空に少しでも近づけるような…
そんな気がして。
この心さえも透き通ってゆくように
私の思いのすべて、見透かしているように…
空は私の憧れをすべて持っているんだよ。
「衣乃さんっ…待って……」
ヨルくんは突然、
私の腕を掴んで困った顔をした。
あれ……もしかして……
「ヨルくん、ジェットコースター苦手?」
私がそう聞くとヨルくんは首を横に振った。
「ううん。そーじゃないんだ。あれ……」
ヨルくんが指さした方向に思わず目を向けた。


