「ヨルくんっ!来てたなら行ってよー!」


私はクスッと笑ってヨルくんの方を向いた。


やっぱりいつみても綺麗な人…

どこの誰が見てもそう思うだろう。


「ヨルくん、王子さまみたいだね。」


優しい笑顔が私には眩しすぎて…。

まるで薔薇の花の輝きみたいな…


「ふふっ。衣乃さんだって綺麗ですよ。」


でも、刺のないどこか暖かい花。


本当はお金持ちなのに何でルルさんの

執事なんてしてるんだろう…?


「衣乃さん……?」


ヨルくんが不思議そうに私の顔をひょこっと

覗いていた。


私はハッとしてヨルくんの方を向いた。


「何でもない、行こうっ!」


ねぇ、ヨルくんの事もっと教えてよ?