「衣乃ちゃんっ!行ってきます!」
来夢ちゃんはニッコリ笑って私に手を振る。
ランドセルを背負って、くるっと一回りして
私にもこんな頃あったなってちょっと笑った。
そして、私も来夢ちゃんがこの家を出ていって
少ししてから家を出て、
門の前である人を待っていた。
私は今日は学校の創立記念日というわけで
お休みなんだけれど、どーしよう……。
「ちょっと気合い入れすぎたかな…?」
鏡向いて紅引いて、髪もおろして、
ワンピース着て、まるでこれって……
デ…デデデ…
「デートだよ!衣乃さん。」
「うわっ!」
突然私の顔にひょこっと手で狐をつくって、
コツンと突っついてきたから驚いてしまった。