「この執事さんもヨルくんのっ……!?」
私は大きな口を開けて執事の方に指を指した。
すると、執事さんは私の前で丁寧に礼をして、
「はい。ヨル様の執事の『空馬(くうま)』と
言います。よろしくお願い致します。衣乃様。」
と優しく微笑んだ。
えっえっえっ……?
「じゃあ、私はっ……」
私がヨルくんの方を向くと
ヨルくんは私に近づいてきて、
「君は僕の別荘で暮らせばいい。僕はルル様のお屋敷に戻るけど、いつか忘れさせてあげる。君の中の苦しみも悲しみも全部…」
と言って私のおでこにそっとキスをした。
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