そんなに優しくしないでね、

冷たさで溢れた横顔で私を見てればいいんだ。


「衣乃…俺バイトあるから。」



嵩広はそう言って私の肩を後ろから叩いた。


私は思わず後ろを振り返ったけど

そこにはもう嵩広は居なかった。



……これが正解だ。



「嵩広、頑張れ。」


私はクスリと笑って空を見上げた。


(ねぇ、いつか私が1人じゃなくなって
幸せになったら嵩広も笑ってくれますか?)



私が教室へ戻ろうと思い、階段を

上がっていくと教室のドアの前には…