ドアの間にヨルくんを突き放す嵩広くんと
嵩広くんに手を引かれる田河さんが見えた。
「なにこれ……」
私は怖くなってドアに背を向けて
そのままその場に座り込んだ。
すると、ルルさんはそんな私を見て、
そっと手を差しのべたんだ。
「楓さん。嵩広くんを取り返すため、私に協力してくださらない?あなたの力が必要なの。」
ルルさんは優しく微笑んでいた。
私にはその姿があまりにも眩しくて…
太陽を見ているかのように思えたの。
「はい……。」
私はルルさんの手をぎゅっと握って、
そこから立ち上がった。
ごめんね、嵩広くん。
これはあなたのためでもあるの。
だからどうか許して……