何で?何でなの?


「和兄との約束、守れなかったら俺は…」


「………?」


「何も欲しいといえない…。」


嵩広は真面目な顔で遠くの方を向いていた。


ふわりふわり泡のような気持ちが膨らんだ。

止めてよ…お願いだから…。


ねぇ、嵩広。

私と嵩広のこの幼なじみの

関係に決着をつけよう?



「ねぇ、何が欲しいっていうの…?」



私は何も気付かないで、どんな事があっても

尋ねてはいけない事を聞いてしまったんだ。


これが全てを壊す始まりだと知らずに…