私は嵩広の背中を見た。


変な気分…コイツの優しさがまだ私の胸の中で温かく残ってるからかな…?


ドキドキしてる…。


「あ…あのさ、なんできたの?」


私は嵩広の手を離そうとした。


けど、その手は離れなかった。

ぎゅっと握りしめてきて、私の方を振り返った。


「お前が困ってっから。」


「えっ…」


「お前を守るのが役目だから…」


嵩広は窓の方を向いて私の手を離した。


そこにふわりと舞い落ちる粉雪が一つ一つ

綺麗に私の心を散らせていく。