「あのさ…衣乃は俺が嫌いか?」 嵩広は私から離れて悲しい顔をした。 あれ…?何で? 「何でそんなこと言うの……?」 ワケわかんない…。 それ、逆でしょ?私が言いたい台詞…。 だって…私を突き放したのは嵩広だもん。 「何のつもりなの…?」 ねぇ…嵩広? いったい何を考えてるの? 私が嵩広の方を向くと、嵩広は私に背を向けて 「和兄との約束なんだよ。『もしも、俺がこの世から消えたなら、衣乃ちゃんの事は嵩広が守ってくれ』って…」 と言った。