「何よっ!笑いにきたの!?」
私の回りには誰もいない。
今は渚くんも病院でここにはいない。
「違うっ!笑いにきたんじゃない!
衣乃っ…。俺はっ…俺はっ……」
嵩広は私の手をぐいっと引っ張って、
誰もいない廊下で私を引き寄せた。
「えっ…?」
私はポカンとして、スッポリと
嵩広の腕の中に入ってしまった。
「俺は絶対お前を1人にしない。」
バカみたいに優しい言葉が胸にたまった
悲しみを全部吸いこんでくれた。
「暖かい…。嵩広…暖かいよ…」
涙が出そうになったのをぐっと抑えて、
フッと笑った。
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