私が思わず斜め前の席に座る嵩広の
方を向くとその瞬間、目と目があった…。
だけど私は昨日の事を思い出して
すぐに目をそらした。
だって…嵩広のやつ…
昨日、私にキスしてきたんだ…
ほんっとワケわかんないっ!
嵩広には楓ちゃんがいるくせに何なのよ…。
私はそんなことを考えてしまい、
少し腹が立ったので前を向き直すと、
転校生の男の子とバッチリ目があった。
でも、彼は私から目をそらして
皆のほうを向いた。
(あれ…私、嫌われてるのかな……?)
思わず彼の態度に疑問を持ったけど
私は気にせずそのまま彼の方を向いていた。
「ヨル・クーロです。よろしくお願いします。」
そう言って丁寧に礼をする彼は凄く綺麗な
顔立ちで…
まるでフランス人形みたいに見えた…


