懐かしい香り…


ここのテーブルで確か……


嵩広と兄の和馬(カズマ)、

嵩広のお父さん、お母さんと私。


5人でご飯食べたっけ?


でも今は嵩広だけなんだね…。


「こういうときどうすればいいんだろ…」


「ん…?何だ、衣乃?」


本当は嵩広のが悲しい…

寂しい…苦しいって思ってるはず。


なのにごめん。

又私、助けられちゃってた。


「寂しくなったら話し相手くらいはしてあげる」


私は思わずうつ向いて

嵩広にハンカチを渡した。