全く…櫚子はテンションが 上がるといつもこうなんだから。 「あのね…確かルルさんだったと思う。 真っ暗で顔はよく見えなかったんだけど…」 私が小さく笑うと櫚子はホッとしたように 私の方を向いた。 「良い人だったんだね。」 「うん…。」 私にはルルさんは悪い人に見えなかった。 だからきっと…きっと大丈夫…。 渚くんは無事なはず! 私がそんな事を思っていると、教室に先生が 入ってきて、櫚子が慌てたように 「席戻るねーっ!」 と私の席から離れて自分の席に戻っていった。