「多分助かったと思う。あの子が
車で病院に運んでくれたなら…。あっ…」
私は思ったことが言葉に出てしまっていたのに
すぐに気づいて、思わず口を両手で塞いだ。
だけどそれはどうやら遅かったみたい…。
櫚子が私の机から顔をひょこっと出して
また驚いた顔で私の顔をじっと見つめてきた。
「何それ!誰なの!?渚くんを連れてった人!」
櫚子が大声で言うもんだから、
一瞬教室にいた皆が私たちの方を向いた。
私は思わず櫚子の口を塞いで
「ちょっと落ち着いてっ!」
って櫚子に言った。
櫚子はそんな私に対して、
小さく頷いて「ごめんごめん」って謝った。