櫚子は驚いた顔をして口元に手を置いて、



「嘘でしょっ……」


って悲しそうな瞳を私に向けた。


ごめんね…いきなりのことで驚いたでしょ?

でもね……



「本当なの…」


嘘なんてつく余裕ないよ…。


「そんなっ…。渚くんは無事なのっ?ねぇっ!」


櫚子は必死で私の肩を掴んで尋ねる。

私だって知りたいよ…?でもね…


「わからないの…。私が渚くんを
病院に運んだんじゃないから…。」



これが事実。


あの時、私は渚くんを助けることしか頭に

無かったから見知らぬ女の子に頼んだんだ。


『渚くんを助けてくださいっ』って…



名前は何だったっけ……?

確か…ルルさん?