手を伸ばせば私には届かないものなどない。


悪いわね…衣乃さん。

貴方の愛する人はもう私のものよ。


彼が目を冷ましたとき…

あなたの事は記憶から抹消されて

私との思い出に浸るの。


「ふふっ…」


私が思わず笑みをこぼすと、

ヨルは少しだけ笑ったように見えた。