「待ってくださいっ!あのっ…」
何…この女…。私はお姫様なのよ?
と言いたい所だけど今は言えないわね…。
仕方ない。
「何ですか?手早くお願いします。」
私は仕方なく彼女の方を振り返ると、
彼女は大きく頷いた。
「名前教えてください。私は田河衣乃ですっ!」
彼女はまっすぐ私を見ていた。
私はその瞳からそらせずに名乗ってしまった。
「ルル・鳳・エリトリアです。」
………って本名名乗ってどうするのよ…私…。
私は逃げるように車へかけていった。
すると、『衣乃』と名乗った彼女は私に
深々と礼をしていた。


