「……やり過ぎたかしら…?」


私はポカンとしてヨルの方を向いた。

すると、ヨルは顔色1つ変えずに、


「大丈夫です。彼女の方へ行ってみましょう。」


と言って少し走って彼女の方へ近づいた。


「あのっ…大丈夫ですかっ!」


私はなにも知らないふりして、

彼女に手を差しのべた。



すると彼女は私の両肩を掴んで涙を流し、


「お願いしますっ…彼がっ…渚くんがっ…!
車はありませんかっ…!急がないとっ……」


と必死になって私に迫った。

私はヨルを呼んで、彼女を私から離れさせた。



「大丈夫です。私の車で
近くの病院へ運びますから!」


私はにっこり笑って『渚』という綺麗な人を

ヨルに任せた。


ヨルは彼を背負って、止めていた車の方へと

乗り込んだ。


私もヨルの後に乗ろうと思っていたのだが、

彼女が私の手を引っ張った。