ヨルは相変わらず真顔で、


「もうすぐ着きますから。」


と窓の方を向いていた。


私はそんなヨルが気になって、

同じように窓の外を見た……。



その時、私は見つけてしまった……。


真っ暗な空に負けない綺麗な男の子。

キラキラ光る汗と優しい笑顔。


バスケットコートで皆と無邪気に笑う

その姿が目に焼き付いた。



「車を止めて!」


私は思わずそう言って、ヨルに微笑みかけた。



「ヨル、見つけたわ!私の王子さま!」


私は止まった車から降りて、ヨルを連れて

バスケットコートへ近づいていった。