「渚くん…いつか私にもバスケ教えてね。」


衣乃ちゃんは笑っていた。

誰よりも優しい笑顔で俺を見つめていた。


「衣乃…ちゃん…//」


俺は真っ赤な顔が街頭で照らしだされそうで

ちょっとだけ下を向いた。


「渚くんはね…優しくって暖かいの//」


衣乃ちゃんはクスっと笑って

俺からバスケットボールを取った。


「私を捨てる人がいれば、渚くんは私に優しく微笑んで私を拾ってくれる。私が傷ついてたら、渚くんは私にそっと手を差しのべて、傷を癒してくれる。」


衣乃ちゃんは手に持ったバスケットボールを

ゴールに向かってシュートした。


それがスポッと綺麗に決まって、俺は思わず

衣乃ちゃんに見とれた。


「あっ!入ったよ!渚くんっ。」


俺は思わず衣乃ちゃんがボールを

拾って投げてきたのに反応した。