そして、俺が衣乃ちゃんの手をそっと離して、 立ち止まったのは…… 「おっ!よぉー渚、衣乃!」 俺の兄貴みたいな存在。 いっつもそこで笑ってて… 俺にバスケを教えてくれた人がいるところ。 「よっ!仁っ。」 俺の一番の味方であってくれる人のいる公園。 衣乃ちゃんは仁を見るとニッコリ笑って 俺の方を向いた。 「渚くんのバスケ、見られるの?」 あーそうだ。 俺はこの笑顔が見たくて衣乃ちゃんを ここに連れてきたんだ。 「仁っ…!ボールパス!」 「おぅっ!」 仁が俺にボールを投げた。