「大丈夫…アイツには渚がいるから…」


俺がそう言って田中に笑いかけた途端、

田中は俺の唇を奪った。


田中は泣きそうな顔をして俺の方を見た。


「本当はそれだけじゃないよね…分かってる…
知ってる…2人は仲良いもん…仕方ないよね。」


田中は俺を優しく抱き締めて笑ってた。


嘘の笑顔で笑ってた…



「何もなかったって…」


俺は田中の方を向かずに呟いた。


「嘘だ。嵩広くん、私分かるよ。
隠し事してる嵩広くんは目をそらすって」



田中は俺の顔をクイッと自分に引き寄せた。