渚はポカンとして
「おっ…おぉ…」
と言って俺達の後ろ姿を見ていた。
俺はとにかく走った。
田中を連れてどこか遠くへ行かないと……
そう思った…。
何でだろう…?笑えるよな。
意味わかんねー……。
俺が息を切らしてたどり着いたのは
近くの公園だった。
「ねぇっ…嵩広くん…」
田中は公園のベンチに腰かけた。
俺もその隣に座った。
「………ん?」
「何があったの……」
田中は俺をじっと見ていた。
俺は田中の頭を撫でた。
「衣乃の居場所が無くなったんだ。」
田中は驚いた顔で俺の方を見た。
「田河さん…又、1人ぼっちになっちゃったの…」
田中は悲しそうな顔をして
グッと胸に手を押し付けていた。


