「じゃあな…」 俺は衣乃をそこに残したまま神社を離れた。 走って…誰より走って…。 自分が虚しくなった。 そして、俺がたどり着いた先で見たものは…… 「……渚と田中…?」 2人で歩いてこちらに向かってきていた。 「嵩広くーんっ!」 「よっ!嵩広!」 2人は俺に気づいた様に手を振ってきた。 俺は慌てて田中の手を取った。 「渚っ!衣乃、赤い鳥居の神社に居るから。」 そう言って俺は田中の手を引いた。 田中は驚いた様に 「…嵩広くん……?」 と後ろで声をあげた。