衣乃はイヤイヤと首を振る。
おそらく、この家が燃えたのも、来夢ちゃんが
火を扱ったことによる火事だったのだろう…。
もちろん、親がいない今、こんなことを
起こしてしまった衣乃達に迫る結果は…
「児童養護施設へ行こう。
君1人ではこの子は守れない。」
警察官の人が衣乃の後ろにいた来夢ちゃんの
腕を強引に引いた。
衣乃はとっさに来夢ちゃんの
もう片方の腕を掴んだ。
「嫌ですっ…連れていかないで…っ!」
衣乃は泣き叫んだ。
俺はどうしていいのか分からず少し後ろに
下がって様子を見た。
警察官の人は衣乃の肩をグッと押して、
来夢ちゃんを連れて、パトカーに乗って
行ってしまった。


