「渚くん…」 「衣乃ちゃん、嵩広と昨日何かあった?」 「えっ?」 私は突然の言葉に驚いて渚くんを見つめた。 渚くんは窓から離れて私の方を振り返った。 「君以上に人を愛せないよ…」 渚くんは切ない瞳をして私を見てた。 今にも溶けてしまいそうなその淡い瞳で… 「渚くん…」 私は渚くんから目を離せなかった。 出会ったのはいつだっけ? 渚くんの存在は知ってたけどいつも女の子に 囲まれてて話せなかった憧れの人。 私が泣き叫ぶ神社の木の下で声を かけてくれた優しい人。 私に笑顔をくれた人。