「アンタさ…」


「ん…?」


「…………やっぱいいや。」


私がそう言っておにぎりにかじりつくと嵩広は

私の方を向いてハンカチを鞄から出した。


そして、私の顔にボスっとハンカチを被せた。


「ちょっ…見えない見えないっ!」


私がハンカチを顔からのけると私の

頬から涙が一粒流れ落ちていた…。


「ハンカチ位用意してろ、バカ!」


そう言って嵩広は私に手を差しのべた。