私は心の中で頷く。
『そうだよ…大丈夫…大丈夫…。』
って何度も何度も頷く。
そして、私がぎゅっと目を閉じると
タクシーが止まった。
嵩広がタクシーの運転手にお金を払って、
タクシーから走って出ていった。
私も走って嵩広の後を追いかけた。
そして、会場の中へと入ると
誰もいない真っ暗な部屋。
そこに沢山の親族や友人たちから送られた
真っ白な花とお父さん達の写真が飾られてた。
「衣乃…ごめん…間に合わなかった……」
嵩広は部屋の電気をつけた。
一気に明かりがつくとお父さんとお母さんは
もうここにはいなかった。
お葬式…間に合わなかったんだ……。
「嵩広…もういいよ。私、お父さんと
来夢ちゃんのお母さんに合わす顔無いから…。」
私は自分の髪の毛を一本抜いて、
お父さんとお母さんの写真の前においた。


