怖い…もう傷つきたくないよ…。


「渚くんっ…」


私は渚くんの背中の裾をぎゅっと握った。

渚くんはそんな私に気づいて、


「衣乃ちゃん…君の居場所はこんな奴の所じゃない。俺の所だよ。君は俺の彼女だから守るよ…。」


と渚くんは大きく手を開いた。


それを気にせずツカツカと近づいてくる嵩広。


2人が向かい合ったとき2人の間に火花が

散ったようなそんな感覚がした。



「衣乃ちゃんに近づくな…」


低い声だった。

私が今まで聞いたことの無い渚くんの声。


初めてこれが男の人なんだって思った。