「はぁはぁっ…見つけたぞ?衣乃!」


残り10mの距離。


私と渚くんの目の前で息を切らして笑うのは

私のダイッキライな初恋の人でした。


「何でっ……!」


私は思わず、嵩広に私の前髪を上げていた

ピン止めを外して投げ付けた。


「何で来たのよっ…」


嵩広は真っ暗な顔を上げてピン止めを掴んだ。

渚くんは驚きで言葉も出ないようだった。


「お前のヒント、俺が分からねーとでも思ったか?お前の事なら分かんだよ。お前の事なら……」


嵩広は私と渚くんの方に近づいてきた。


私は思わず渚くんの後ろに隠れた。