私は思わず電話を切った。


どうせ、あれだけのヒントじゃたどり着けない。

この辺りは家が沢山ある。


そもそも2駅って言っても、

東方面か西方面か言ってないしね(笑)



「たどり着けるはずがないんだよ?嵩広。」


心が氷で凍った女の子。私はどうせそうなんだ。

いつまでたっても溶けない。

それを今溶かしてくれそうな人がいるんだ。


「………渚くん」


優しくって暖かくって…

でもどこかでまだ迷ってるの。


ひょっとしたらそれさえも気づいてて、

あえて黙っててくれてるのかもしれない。


『今はまだ迷ってもいいよ。』って…


『必ず俺だけしか見れなくするから』って…


渚くんは私を鎖で縛ったりしない。